地質屋さんの家づくり

マイホーム検討中の紆余曲折の記録、セキスイハイムの住み心地

地盤の話 地震(活断層1)

こんにちは、からたまです。

 

 地盤の話、3回目は阪神淡路大震災以降話題に上がることが多くなった活断層地震について書いていきます。今回は活断層地震の特徴とおおざっぱな分布について。

 

地震のタイプ

 まず、日本で大きな被害を発生させる地震には主に2つのタイプがあります。一つがプレート境界型地震東日本大震災、東海・東南海・南海地震など)であり、もう一つが活断層地震阪神淡路、熊本、中越など)です。

 記憶に新しい東日本大震災に代表されるプレート境界地震は、地球の表層を覆うプレートが、押し合い→プレートにひずみを生じ→ひずみを解消する際に発生すると考えられております(下図参照)。

f:id:karatama:20181127143017g:plain  → f:id:karatama:20181127143101g:plain内閣府HPより引用)

 一方で、活断層地震は、やはり主にプレートの押し合いによってたまったひずみが、プレート内部で”ひび割れ”を生じることで解消しようとするものです。

f:id:karatama:20181128132150g:plain  → f:id:karatama:20181128132313g:plain内閣府HPより引用)

 

活断層地震の特徴

 そして、今回のテーマである活断層地震は、プレート境界型地震と比べると、地震の規模(マグニチュード)が小さい」わりに震源付近の揺れ(震度)が大きい)」、そして「大きな揺れの発生する範囲が小さい」という特徴があります。

  まず、地震の規模が小さいのは、プレート境界型地震と比べて動く範囲が小さいからです。溜まったひずみをプレート自体が動いて解消するプレート境界型地震と比べて、プレート内にひび割れを発生させるような活断層地震ではどうしても動きの規模は小さくなります。

 次に、プレート境界型地震が日本付近ではおおよそ深さ50~100km程度で発生するのに対し、活断層地震では深さ10km程度で発生することが多いです。発生源が近いため、規模(マグニチュード)は小さくても、揺れ(震度)は大きくなります。ただし、規模が小さいため、震源から離れると震度はどんどん小さくなっていき、広い範囲には被害が及びにくい特徴があります。プレート境界型地震東日本大震災)の被害範囲が広く、活断層地震の被害範囲(阪神淡路、熊本)が比較的狭いのはこのことによるものです。

 ただし、活断層地震でもまれに大きな規模で発生して広い範囲に被害を与える地震1891年濃尾地震)もあるので、全部が全部上のように決まっているわけではありません。

 

活断層の分布・評価

 情報化社会の現代、活断層の分布や地震発生確率なども調べればいくらでも出てくるかとは思いますが。地盤調査に携わる技術者として、活断層分布・活断層の評価を確認する際に使用するホームページの一例を、いくつかご参考に書いておきます。

国土地理院 都市圏活断層

 活断層分布と地形区分を併せて示しております。全国が網羅されているわけではありませんが、縮尺の小さい地図上にあるため、詳細が見やすくなっております。閲覧については自由に行えます(H30.11現在)。

地震調査研究推進本部 主要活断層帯の長期評価

 政府としての活断層の評価(発生確率)が掲載されております。ニュースでたまに見かける30年以内の発生確率などはここから引用されていることが多いように感じます。

 日本全国のおおまかな活断層の分布をみることもできます。日本は活断層に覆われています・・・。

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・日本活断層学会

 こちらはめったに見ませんが、活断層の調査を主題にした研究論文が多く掲載されている学会誌「活断層研究」のバックナンバーを閲覧することができます。活断層の調査の最前線を見てみるのもたまには良いかと?